大切な会社の帳簿書類の保存期間や保存方法はご存知でしょうか?
帳簿書類の保存期間
法人は、帳簿書類【注1】を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間【注2】保存しなければなりません。
また、法人が電子取引をした場合には、原則としてその電磁的記録(電子データ)をその事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります。
ただし、電子データを出力した紙によって保存しているときには、保存する必要はありません。
【注1】「帳簿」には、総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあり、また、「書類」には、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがあります。
【注2】平成23年12月税制改正により青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間が9年とされたことに伴い、平成20年4月1日以後に終了した欠損金の生じた事業年度においては、帳簿書類の保存期間が9年間に延長されました。また、平成27年度及び平成28年度税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する欠損金の生ずる事業年度においては、帳簿書類の保存期間が10年間に延長されました。
帳簿書類の保存方法
【1】原則的な保存方法
帳簿書類の保存方法は、紙による保存が原則となります。
したがって、電子計算機で作成した帳簿書類についても、原則として電子計算機からアウトプットした紙により保存する必要があります。
【2】6年目以降のマイクロフィルムによる保存方法
帳簿書類の保存は、紙による保存が原則ですが、保存期間の6年目以降(一定の書類については4年目以降)の帳簿書類は、一定の要件を満たすマイクロフィルムにより保存することができます。
なお、マイクロフィルムによる保存を行う場合には、一定の基準を満たすマイクロフィルムリーダ又はマイクロフィルムリーダプリンタを設置する必要があります。
【3】電磁的記録による保存方法
自己が電磁的記録により最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類で一定の要件を満たすものは、紙による保存によらず、サーバ・DVD・CD等に記録した電磁的記録(電子データ)のままで保存することができます。
なお、電磁的記録による保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出し、承認を受けることが必要です。また、この申請書は、備付けを開始する日の3か月前の日までに提出する必要があります。
【4】一定の書類のスキャナ読取りの電磁的記録の保存方法
保存すべき書類のうち、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類以外の一定の書類については、紙による保存によらず、スキャナ読取りの電磁的記録による保存(以下スキャナ保存【注1、2】といいます。)を行うことができます。
なお、スキャナ保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出し、承認を受けることが必要です。また、この申請書は、スキャナ保存を行おうとする日の3月前の日までに提出する必要があります。
【注1】帳簿についてはスキャナ保存や、スキャナ読取りの電磁的記録による保存を行うことはできません。
【注2】平成28年度税制改正により、スキャナ保存の要件の一部が改正されました。改正後の要件については、国税庁HPの「電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が改正されました(平成28年)(PDF/1,907KB)」に掲載されています。
【5】電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存方法
自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿書類については、一定の要件の下で、紙による保存によらず、その電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルム(COM)により保存することができます。
なお、電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存を行う場合には、あらかじめ所轄税務署長に対して申請書を提出して承認を受けることが必要です。また、この申請書は、電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存を行おうとする日の3か月前の日までに提出する必要があります。
電子取引をした場合の電磁的記録の保存方法
法人が電子取引をした場合には、その電子取引に係る電磁的記録を、一定の要件を満たす方法により保存する必要があります。
なお、税務署長の承認は要件となっておりませんので、全ての法人が対象となります。
※上記は国税庁HPより引用
いかがでしたでしょうか。
帳簿書類の保存期間は、税務調査の対象期間である7年のイメージを持たれている方も多いかと思いますが、欠損金がある場合には最長10年間の保存が必要となっております。ご注意ください。
井谷税理士事務所では、今後もお役立ち情報を発信していきたいと思います!